今年の夏は、国内最高気温の41.1℃を超える可能性がある、危険な暑さです。そんな猛暑にエアコンが効かない状況を想像するだけでも嫌になります。故障以外にエアコンが使えない状況は何か思いつくことはありますか?
実は驚くべきことにエアコンの室外機が盗難被害に遭うという事件が発生しているのです。
この暑さでは、家の中でも熱中症になる危険性があります。これは窃盗罪ではなく、殺人未遂罪として裁かれるべきではないでしょうか。
防犯対策と健康をセットで考える時代に。
室外機以外にも住宅設備の窃盗事件が発生しています。
千葉県では連続給湯器窃盗事件が発生しました。2カ所の集合住宅から合計7台が盗まれた疑いで、37歳無職の男が逮捕されました。被害総額は約80万円にのぼります。容疑者は「100台から150台以上盗んだ」と供述しています。猛暑の中でたっぷり汗をかいた体を、一日の終わりにお風呂でリフレッシュするのが楽しみなのに、それができないというのは大きな問題です。
他にも、グレーチングと呼ばれる側溝の蓋の盗難が多発しています。側溝に蓋がないことに気づかずに足を踏み外したり、洪水の際に転落して流される危険もあります。これも単なる窃盗では済まされない問題です。
このような金属窃盗の被害件数は16,276件で、2020年から2023年にかけて3倍に急増しています。被害は関東圏に多く、茨城県2,889件、千葉県1,684件、栃木県1,464件、群馬県1,437件、埼玉県1,172件にのぼります。検挙が進めば西日本に被害が移ることも懸念されます。
特に狙われている金属は銅で、世界的な銅価格の高騰が背景にあります。この4年で銅価格は2倍に上昇しています。こうした金属を換金して現金化するためには、買い取り業者の存在があります。中古品は古物営業法により許可を受けて営業されていますが、金属はその対象外で、本人確認や取引の記録保存、警察への申告がありません。金属はすでに溶かされて原型をとどめていないため、盗品かどうかもわからないのです。さらに、円安により海外に販売すれば大きな利益が得られる状況です。
我が家の防犯対策としては、防犯カメラやセンサーライトの設置、エアコンの室外機を壁に固定すること、カバーやフェンスを設置して容易に持ち運びできないようにすること、砂利の敷設で足音がしやすくするなどの工夫が考えられます。財産以外にもご家族の健康を守るためにも、防犯対策をご検討してみてはいかがでしょうか。