電気代が高騰している現在、政府による「激変緩和措置」により、電気、ガス、そしてガソリンに対する補助金が支給されています。電気料金に関して言えば、1kWhあたり7円の補助金が提供されており、もしも月に400kWhの電気を使用している場合、その補助金額は400kWh×7円=2,800円になります。これにより、請求額が軽減されるのです。
ただし、この補助金措置は2023年9月まで有効です(9月の使用分に関しては半分の3.5円が適用されます)。したがって、10月以降はこれに相当する分の値上げが適用されることになります。
政府は、補助金がなければ200円を超える可能性があるガソリンの価格を抑制しようとしています。電気については夏が過ぎると使用量が減少し、冬になると再び上昇するとの見方を示しています。このため、秋の臨時国会でこれらの問題に対する提案するとのことです。
2023年9月には岸田首相は、ASEAN関連首脳会議やG20サミット、国連総会などへの外遊が多く予定されており、その期間中に内閣改造や党内人事を実施し、基盤を整えた後、10月初旬に秋の臨時国会を召集する見込みです。この国会において衆院が解散され、電気やガスの補助金が経済政策のカードの一つとして用いられる可能性が考えられます。
補助金終了後さらに実感するエネルギー価格の高騰
残暑が厳しい中で補助金が終了することは、家計にとっては大きな変化となるでしょう。まだしばらくはエアコンを使わないことが難しいほどの暑さが続いていますので、家計にとっては非常に厳しい状況です。
さらに冬になるとふたたび電気の使用量が増加するため、家計簿への悩みは続きます。給料が上がらない限り、賞与は毎月の家計の赤字分を埋めるために充てられることになるでしょう。補助金はもともと税金からの出資です。結局、あとになってその負担を私たちが負わなければなりません。つまり、何度も巡り巡って自分で支払うことになるわけです。したがって、補助金を受けて得をしているわけではなく、政治的に利用されているとすれば、深刻な問題です。
ガソリンの場合、元売りに補助金を給付して価格を抑制しようという動きもありますが、果たしてその価格に反映されているのでしょうか。そして、その後で国民に公平に税負担するのは、公正なやり方なのでしょうか。
こうしたエネルギー価格の高騰は、製造、流通、小売りなどにも影響を及ぼします。そのため、物価の上昇は依然として収まらない状況です。「あの購入しておけば」と後悔するよりも今のうちに購入して楽しもうという、ある種の刹那的な考え方に傾く人も出てくるかもしれません。
かつて日本人は、水と安全はタダであるという神話を信じていましたが、この考えは既に崩れ去っています。
今では、家庭用の浄水器や整水器が広まり、ウォーターサーバーの設置やミネラルウォーターの購入が一般的となりました。
車にはドライブレコーダーを取り付けて運転を記録してあおり運転を抑止し、街や住宅、そして電車内でも防犯カメラが設置されています。社会は大きな変化を遂げています。
電力も発電所へ依存している間は抜け出すことができない課題がありますが、この依存から脱却し、できるだけ電力を購入しない暮らしを築こうとする人々が増えています。そして、あっという間に「まだ電力を購入しているの? まだガソリン車に乗っているの?」という時代が築かれつつあります。