我が家の水は、安心して飲めるのでしょうか?そんな不安を抱かせる「PFAS」の話題をご存じでしょうか?健康への影響が懸念される有機フッ化化合物、ピーファス(PFAS)のことです。匂いもなく、味もありません。
PFASは水や油をはじき、熱に強い性質を持つため、フライパンの表面加工やファストフードの容器など食品包装紙の撥水加工や泡消火器にも使われていました。
自然界ではほぼ分解されないため「永遠の化学物質」と呼ばれ、人体にも環境にも長く残ります。そのため、発がん性があると言われています。1990年代から製造や使用が規制されています。
しかし、2021年度に実施した河川や地下水の調査では、31都道府県のうち13都府県81地点で暫定的な目標値を上回る高い濃度が検出されました。
水道水が汚染される原因とは?
アメリカでは、PFASとの関連性を示す十分な証拠があるとされる健康リスクには、「脂質異常症」や「腎臓がん」、「乳児・胎児の発育の低下」などがあります。
日本では、PFASについて、水道水の目標値を1リットルあたり50ナノグラムに設定しました。一方、アメリカは規制値として4ナノグラムと定めています。
なぜ水道水が汚染されているのでしょうか。水源となる河川や地下水が工場や基地、飛行場、産業廃棄物処理場からの汚染水が原因かもしれません。
自治体には検査結果を正しく公開し、必要な措置を講じてもらわなければ、不安は消えません。各家庭で備えるならば、PFASを除去できる浄水器も販売されているようです。
イザヤ・ベンダサン氏著書『日本人とユダヤ人』で、40年以上前に「日本人は水と安全はタダと思っている」と書かれています。また、もっと以前には道元が「命の原点は水である」と述べています。
化石燃料の利権争いによる世界の紛争から、今後は水資源の奪い合いで紛争が起きるかもしれません。
古くなった水道管のインフラの交換や耐震化のためには、多額の費用が必要です。その捻出のために水道料金が高騰するのはやむを得ないでしょう。災害時の飲料水の確保、洗濯や入浴、清掃など生活用水の確保は必要です。飽食の国、日本が、命の原点である水すら買えない、手に入れられない時代が来るかもしれません。
※参照:環境省 令和4年度公共用水域水質測定結果及び地下水質測定結果について
https://www.env.go.jp/press/press_02935.html