住まいと暮らしのQ&A

気になるガス不足。生活に必要な「エネルギー」を創ることが価値のある時代に。

2022年8月24日に開催されたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議に岸田首相がオンラインで出席し、電力の安定供給そして脱炭素社会に向けて、原子力発電の再稼働だけでなく次世代原発の開発、建設を検討するよう指示しました。
日本の電力不足は危機的状態です。世界も電力の安定のため原発の活用に舵を切り始めており、イギリスは2030年までに8基、フランスは2050年までに14基の原子力発電所の新設を予定しています。
さらに心配なのは「ガス不足」です。欧州はロシアから「パイプラインの点検」と言われ遮断されており、そのため世界的に液化天然ガス(LNG)の争奪戦が始まっています。需要と供給のバランスが崩れた中で日本はLNGの調達ができるのかが今後の課題です。現在、LNGを有利な価格で調達していますが、今後のロシアの出方では様相は一変するでしょう。日本の商社が出資する「サハリン2」が鍵を握っています。

液化天然ガス(LNG)の供給が停止してしまったら……

もしガスの供給が停止したら火力発電所が稼働できず、電力不足が一段と深刻さを増します。さらにLNGを主原料としている都市ガスの供給が止まる可能性があります。
「ガスの供給停止」となると、各家庭ではカセットコンロを代用するしかありません。カセットボンベの備蓄が必須となります。カセットボンベの入手も不安です。
冬場にはガスの供給が止まってしまった場合、入浴が困難になってしまいます。カセットコンロのように、ガスボイラー、給湯器の代わりになるお湯を沸かす設備はありません。

ガスの供給不足に備えるには

●都市ガスからプロパンガスへの切り替え。
ガスの種類の変更に伴い、コンロやボイラーの機種変更や部品交換が必要となります。また一般的に都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高くなる傾向にあります。
●ガスを使用しない「オール電化」にする方法があります。
電気は太陽光発電システムを用いて、家庭でも作ることができます。ガス、電力不足に対応した暮らし方が実現するともいえます。

エネルギー問題の解決策は、電力会社やガス会社依存から脱出し、各家庭でエネルギーを創る「分散型電源」の暮らし方が向いているようです。
リフォームによるライフライン整備はサバイバル戦略に。生活に必要な「エネルギー」を創ることが価値のある時代に向かっていくのではないでしょうか。